「STの仕事は好きなはずなのに、職場に行くのがつらい」

「上司に相談しても、STのしんどさが伝わらない」

「私が弱いだけなのかな」

そんなふうに感じている言語聴覚士さんへ。

私は急性期病院で9年働いたあと、3年のブランクを経て、今はリハビリ特化型デイで現役復帰しています。

この記事では、私自身が感じてきた「STの人間関係のしんどさ」と、職場を変える選択肢について書きます。

結論|その職場だけが、STの働き方ではない

結論から言うと、職場の人間関係で苦しい時は、「自分が弱い」と決めつけなくて大丈夫です。

STの悩みは、個人の性格だけではなく、職場の構造から生まれることがあります。

特に私が大きいと感じていたのは、上司がPT・OTで、STの現場感が伝わりにくいことでした。

もちろん、PT・OTの上司が悪いと言いたいわけではありません。

ただ、職種が違うと、何に悩んでいるのか、どこに責任の重さがあるのかが伝わりにくいことがあります。

私自身、9年間勤めた職場ではストレスも多かったです。

でも、職場を変えたら、働きやすくなりました。

今振り返ると、あのつらい場所に、そこまでこだわらなくてもよかったのかもしれないと思っています。

STの人間関係がつらくなりやすい理由

STの人間関係がつらくなりやすい背景には、人数の少なさがあります。

病院や施設によって違いますが、リハビリ職の中ではPT・OTの人数が多く、STは少数派になりやすいです。

STの人間関係がつらくなる理由。STの人数が少ない、上司がPT・OTで伝わりにくい、若手・女性中心で立場が弱くなりやすいことを整理した図解

人数が少ないと、相談できる同職種の先輩が限られますよね。

しかも、STは全体的に若い人が多く、女性中心の職場も多い印象があります。

なので、リハビリ職の中での立場が弱くなりやすいと感じる場面が多々ありました。

たとえば、嚥下の判断は、患者さんの命や生活に関わる重い仕事です。

でも、その重さが、他職種の上司にはそのまま伝わらない。

「相談しているのに、なんとなく流される」

「困っているポイントがずれて伝わる」

「STの中では大きな問題なのに、組織の中では小さく扱われる」

こういうことが続くと、仕事そのものより、人間関係で疲れてしまいます。

💡 ここで大事なこと:これは「PT・OTが悪い」という話ではありません。職種が違えば、見えている景色が違います。だからこそ、STの仕事を理解してくれる相談先を持つことが大事です。

上司に相談しても分かってもらえなかった時のモヤモヤ

私は、PT・OTの上司に相談したことがあります。

でも、正直に言うと、理解してもらえずにモヤモヤしていました。

こちらは、かなり悩んでいる。

でも、返ってくる反応は「そうなんだね」「大変だね」で終わる。

もちろん、悪意があったわけではないと思います。

ただ、STの業務の中にある独特の緊張感や、嚥下判断の怖さ、少人数職種としての孤立感までは届きにくかったのだと思います。

こういう時にしんどいのは、相談したあとに、余計に孤独になることです。

「話しても分かってもらえなかった」

「結局、私が我慢するしかないのかな」

そう感じると、次に相談する気力もなくなっていきます。

でも、ここで自分を責めすぎないでほしいです。

上司に伝わらなかったからといって、あなたの悩みが小さいわけではありません。

伝える相手や、相談する場所が合っていなかっただけかもしれません。

つらい時は、感情ではなく事実を残す

人間関係がつらい時は、まず記録を残すことがおすすめです。

これは、相手を責めるためではありません。

自分の状況を整理して、相談しやすくするためです。

STの職場がつらい時の行動順。事実を記録、相談先を分ける、休む選択肢、異動を確認、職場を変える流れを整理した図解

記録する内容は、難しくなくて大丈夫です。

  • いつ
  • どこで
  • 誰に
  • 何を言われたか
  • 仕事にどんな支障が出たか
  • 体調にどんな変化が出たか

「つらかった」だけだと、相談先に説明しにくいことがあります。

でも、具体的な出来事として残しておくと、話が伝わりやすくなります。

厚生労働省の「あかるい職場応援団」では、職場のパワーハラスメントについて、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離しなどの類型が整理されています。

自分の状況がハラスメントに当たるかを一人で判断する必要はありません。

ただ、「これは我慢で済ませていいのかな」と迷った時に、公的な情報を見て整理することは助けになります。

参考:厚生労働省 あかるい職場応援団「パワハラの6類型」

相談先は、職場内と職場外に分ける

相談先は、1つに絞らない方が安心です。

職場内で相談できる人がいれば、それは大事な支えになります。

でも、職場内だけで解決しようとすると、逃げ場がなくなることがあります。

職場内では、以下のような人が候補になります。

  • 話しやすい先輩
  • 信頼できる同僚
  • 別部署の上司
  • 人事や相談窓口
  • 産業医や保健師

職場外では、家族、友人、元同僚、転職エージェント、公的な労働相談窓口などがあります。

厚生労働省には、職場のトラブルについて相談できる「総合労働相談コーナー」もあります。

「職場の中で言いづらい」「上司に相談しても進まない」という時は、外の窓口を知っているだけでも少し安心です。

参考:厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内

職場を変えたら、働きやすくなることもある

私が一番伝えたいのは、ここです。

職場を変えたら、私は働きやすくなりました。

職場を変えたら働きやすくなることもある。つらい職場と合う職場の違いを整理した図解

9年間勤めた職場では、ストレスも多かったです。

でも、別の場所を経験してみると、「あの場所にこだわらなくてもよかった」と思うようになりました。

もちろん、転職すれば必ず良くなるとは言えません。

新しい職場にも、人間関係の難しさはあります。

でも、少なくとも「今の職場しかない」と思い込む必要はありません。

STの働き方は、病院だけではありません。

デイサービス、訪問、老健、児童発達支援、放課後等デイサービス、非常勤、パート勤務など、働き方は想像よりたくさんあります。

私は今、リハビリ特化型デイで働いています。

病院時代とは違う大変さもありますが、私には今の働き方の方が合っていると感じています。

関連記事:STが病院からデイサービスへ転職する前に知りたいこと

転職は「逃げ」ではなく、環境調整です

つらい職場から離れることを、「逃げ」と感じる人もいると思います。

私も、昔はそう思っていました。

でも今は、少し違う見方をしています。

転職は、自分が働き続けるための環境調整です。

合わない靴を履き続けたら、足が痛くなりますよね。

仕事も同じで、自分に合わない環境に長くいると、心も体も削られます。

だから、辞めるかどうかを決める前に、まず情報を集めるだけでもいいと思います。

どんな求人があるのか。

病院以外のSTは、どんな働き方をしているのか。

非常勤やパートでも、自分らしく働ける場所はあるのか。

知っておくだけで、「ここしかない」という思い込みが少しゆるみます。

(PR)STの転職情報を比べたい方は、転職サイト比較の記事も参考にしてください。ST向け転職サイト比較はこちら

まとめ|そのつらさを、自分の弱さだけにしないで

STの人間関係がつらい時、まず伝えたいのは「自分だけを責めないでほしい」ということです。

STはリハビリ職の中で少数派になりやすく、上司がPT・OTだと現場感が伝わりにくいことがあります。

その中で、若手や女性中心の職場だと、立場の弱さを感じる場面もあるかもしれません。

大事なのは、つらさを一人で抱え込まないことです。

  • 何が起きたか記録する
  • 職場内と職場外の相談先を分ける
  • 休む選択肢を持つ
  • 異動や転職の情報を集める
  • 今の職場だけがすべてだと思わない

私は、職場を変えたら働きやすくなりました。

だから、今つらい場所にいるSTさんにも伝えたいです。

その場所に、ずっとこだわらなくても大丈夫です。

あなたがSTとして働き続ける道は、きっと他にもあります。

よくある質問

人間関係だけで転職を考えてもいいですか?

考えていいと思います。

仕事は内容だけでなく、人間関係や職場の空気も含めて続けられるものです。

ただし、勢いで退職する前に、貯金、家族との相談、次の求人情報は確認しておくと安心です。

上司に相談しても理解してもらえない時はどうしたらいいですか?

相談先を増やすのがおすすめです。

同じ職場内だけでなく、元同僚、家族、公的な労働相談窓口など、外の人に話すことで整理しやすくなります。

転職すれば必ず働きやすくなりますか?

必ずとは言えません。

ただ、職場によって仕事内容、上司、勤務時間、STへの理解はかなり違います。

今の職場が合わないからといって、STそのものが向いていないとは限りません。

休職と転職、どちらを先に考えるべきですか?

体調が崩れている時は、まず休むことを優先してよいと思います。

判断する元気がない時に大きな決断をすると、あとで後悔することがあります。

参考文献・参考サイト

※この記事は、現役STとしての個人の経験と、公的機関の情報をもとにまとめています。個別の労働相談・医療相談に代わるものではありません。つらさが強い時は、職場の相談窓口、医療機関、公的な相談窓口などにつながってください。

ご質問や体験談は、お問い合わせフォーム から送っていただけます。