「STって、思ったより昇給が少ないかも」
「このまま同じ職場で働いて、収入はどれくらい上がるんだろう」
「でも、いきなり転職する勇気まではない」
そんなふうに感じている言語聴覚士さんへ。
私は急性期病院で9年働き、今はリハビリ特化型デイで現役STとして働いています。
正直に言うと、私も「昇給が少ないな」と感じたことがあります。
この記事では、STの昇給が少ないと感じた時に、すぐ転職する前にできることを整理します。
結論は、「まず自分の市場価値を知ってから考える」でいいと思っています。
結論|転職するかどうかは、求人を見てから考えていい
先に結論から言います。
昇給が少ないと感じた時、いきなり転職を決めなくて大丈夫です。
でも、転職活動をしてみて、自分の市場価値を知ることはしてもいいと思います。
求人を見るだけでも、「今の職場の給料が高いのか低いのか」が少し見えてきます。
面談で話を聞くだけでも、「自分の経験は外でどう評価されるのか」が分かります。
そのうえで、転職するか、今の職場に残るか、副業を伸ばすかを考えればいい。
私はこの順番が、いちばん現実的だと思っています。

特に、今の職場に大きな不満がなくても、昇給が少ない不安は残りますよね。
その不安を我慢で終わらせるのではなく、一旦情報として整理する。
それだけでも、かなり気持ちは変わります。
STの昇給が少ないと感じやすい理由
STの仕事は、専門性が高い仕事です。
嚥下、失語症、構音障害、高次脳機能障害、子どものことば。
扱う領域は広く、判断も重いです。
それなのに、毎年の昇給額を見ると、「あれ、こんなものなの?」と感じることがありませんか?
私もそうでした。
もちろん、職場によって違います。
公務員、大学病院、急性期、回復期、訪問、デイサービスでは、給与の仕組みも違います。
ただ、医療職は年功序列の色が残りやすく、短期間で大きく給料が上がる職場ばかりではありません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、言語聴覚士は「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士という大きな職種区分で集計されています。
この統計は、STだけの数字ではありません。
でも、リハビリ職全体の給与水準を見る材料にはなります。
ここで大事なのは、平均年収だけを見て落ち込まないことです。
自分の経験年数、勤務形態、地域、役職の有無で、収入はかなり変わります。
だからこそ、「平均より高いか低いか」だけでなく、今の自分なら、他の職場ではどのくらいの給料になるのかを見ることが現実的です。
昇給が少ない時、まず見るべき4つのこと
昇給が少ないと感じた時は、いきなり辞めるかどうかで考えない方が安心です。
まずは、現状を分解します。
1. 今の年収と手取り
最初に見るのは、年収と手取りです。
月給だけで見ると、実際の生活感とズレることがあります。
賞与、残業代、通勤手当、扶養手当、住宅手当も含めて確認します。
「毎月いくら入るのか」
「年間でいくら残るのか」
ここを見ないまま転職を考えると、求人票の月給だけに引っ張られます。
2. 昇給額
次に見るのは、1年でどれくらい上がったかです。
毎年の昇給が少ないと、将来の見通しが立てにくいですよね。
たとえば月2,000円の昇給なら、年収では約2.4万円です。
月5,000円なら、年収では約6万円。
数字にすると、「このペースで10年後どうなるか」が見えやすくなります。
3. 働き方の自由度
年収だけでなく、働き方も見ます。
定時で帰れるのか。
急な休みに理解があるのか。
副業ができるのか。
子育てや介護と両立しやすいのか。
給料が高くても、心身が削られる働き方だと長く続きません。
逆に、給料は少し低くても、副業や家庭との相性が良い職場もあります。
4. 外の求人相場
最後に、外の求人相場を見ます。
ここが一番大事です。
今の職場だけを見ていると、「STはこんなもの」と思い込みやすいです。
でも求人を見ると、訪問、回復期、デイサービス、児童発達支援、非常勤など、思ったより選択肢があります。
関連記事:言語聴覚士の転職サイトおすすめ3社
私は「副業」も現実的な選択肢だと思う
わたしの考えとしては、収入を増やすなら副業もかなり現実的だと思っています。
理由は、STの本業だけで大きく昇給するのは、職場によって限界があるからです。
もちろん、役職を目指す、公務員を目指す、訪問リハに行くという道もあります。
でも、全員がその道を選びたいわけではありません。
私自身も、今は「パートでのんびり働く」が自分に合っていると思っています。
だから、本業で無理に背伸びするより、副業で少しずつ収入の柱を増やす方が合う人もいるんじゃないでしょうか。

STの経験は、副業にも活かせます。
- 医療・介護系の記事を書く
- ブログで専門知識を発信する
- 家族向けの資料を作る
- ST向けの学習メモをまとめる
- 子どものことばや嚥下の情報をやさしく発信する
(PR)市場価値を知る前に、学びを整理したいSTへ
副業や転職を考える時も、まずは「自分が何を学び直したいか」を整理しておくと動きやすくなります。リハノメはPT・OT・ST向けのオンライン講座を見られるので、嚥下・失語症・小児などを家で復習したい時の候補になります。
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ただし、副業はすぐ稼げるものではありません。
時間もかかりますし、最初はほとんど収入にならないこともあります。
それでも、私は「本業以外の柱を持つ安心感」は大きいと感じています。
転職活動は「辞めるため」だけに使わなくていい
転職活動というと、「今の職場を辞めるため」と考えがちです。
でも私は、情報収集として使ってもいいと思っています。
求人を見る。
条件を比べる。
担当者に自分の経験を話してみる。
それだけでも、自分の市場価値が少し見えてきます。

転職エージェントに相談したからといって、必ず転職しないといけないわけではありません。
「今すぐ転職ではなく、情報収集です」と最初に伝えておけば大丈夫です。
むしろ、今の職場に残る判断をするためにも、外の条件を知ることは役に立ちます。
「外を見たけど、今の職場は意外と悪くない」
そう分かることもあります。
逆に、「同じ経験年数で、もっと条件の良い職場がある」と気づくこともあります。
どちらにしても、知らないまま我慢するより、知ったうえで選ぶ方が納得できます。
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昇給が少ない時にやらない方がいいこと
焦って退職することは、あまりおすすめしません。
収入の不安がある時ほど、感情だけで動くと苦しくなります。
特に、次の3つは注意です。
- 求人票の月給だけで決める
- 人間関係のつらさだけで即退職する
- 副業だけで急に生活しようとする
求人票の月給が高くても、残業が多い、休みが取りにくい、業務量が多い職場もあります。
人間関係がつらい時も、まずは記録や相談が必要なことがあります。
副業も、育つまで時間がかかります。
だから私は、「辞める前に情報を集める」が一番安全だと思います。
関連記事:言語聴覚士の人間関係がつらい時
私ならこう動く
もし今の私が、「昇給が少ない」「将来が不安」と感じていたら、次の順番で動きます。
まず、今の年収と手取りを確認します。
次に、求人を見て相場を知る。
そのうえで、副業を小さく始める。
転職は、情報を集めたあとに考えます。
いきなり大きく人生を変えなくていいんです。
まずは、外の世界を見てみる。
それだけでも、「今の職場しかない」という思い込みが少なくなります。
私自身、職場を変えたことで働きやすくなったSTのひとりです。
でも、同時に副業という選択肢も大事にしています。
どちらが正解かではなく、自分の生活に合う形を選ぶことが大事です。
よくある質問
Q1. 昇給が少ないだけで転職を考えてもいいですか?
A. 考えるだけなら、まったく問題ないと思います。
ただし、すぐ辞める必要はありません。
まずは求人を見て、今の職場と比べるところからで十分です。
Q2. 副業はSTに向いていますか?
A. 向いている人もいます。
STは専門知識があり、家族や初心者に分かりやすく伝える力が強みになります。
ただし、職場の副業規定と個人情報には注意が必要です。
Q3. 転職サイトに登録したら、必ず転職しないといけませんか?
A. 必ず転職する必要はありません。
情報収集として使う人もいます。
「今すぐ転職ではなく、相場を知りたい」と伝えておくと安心です。
Q4. 今の職場に残る判断もありですか?
A. もちろんあります。
外の条件を見たうえで、「今の職場の方が合っている」と分かることもあります。
大事なのは、知らないまま我慢するのではなく、知ったうえで選ぶことです。
まとめ|市場価値を知ることは、転職の一歩ではなく安心材料
STの昇給が少ないと感じると、不安になりますよね。
でも、その不安をすぐ退職につなげなくて大丈夫です。
- 昇給が少ないと感じたら、まず今の年収と手取りを見る
- 求人を見て、外の相場を知る
- 副業は、収入の柱を増やす現実的な選択肢
- 転職活動は、辞めるためだけでなく市場価値を知るために使える
- 転職するかどうかは、情報を集めたあとに考えればいい
「今の職場しかない」と思うと、心が苦しくなります。
でも、外を見てみると、思ったより選択肢はあります。
転職でも、副業でも、今の職場に残るでもいい。
自分の市場価値を知ることは、人生を急に変えるためではなく、自分を守るための情報になります。
→ もっと具体的に年収アップの方法を見たい方は、言語聴覚士の年収を上げる方法5つも参考にしてください。
→ 転職サイトの違いを知りたい方は、言語聴覚士の転職サイトおすすめ3社にまとめています。
参考文献
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html - 厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」
https://shigoto.mhlw.go.jp/ - 厚生労働省「副業・兼業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
※この記事は、私個人の経験と公開情報をもとにした一般的な内容です。年収、昇給、副業可否、転職条件は職場や個人の状況によって変わります。具体的な判断は、ご自身の家庭状況・健康状態・就業規則を確認したうえで検討してください。


